人間の脳の大脳皮質は四つに分類され、額から
頭頂部くらいまでを前頭葉というそうです。
この前頭葉の前の部分、額の辺りは
前頭前野と呼ばれています。
サラリーマン時代に買った「脳からストレスを消す技術」
という本を今でも定期的に読んでいます。
もしかしたら、タイトルでちょっと怪しい印象を
持たれる方もいらっしゃるかもしれませんが、
「涙を流すとなぜスッキリするのか」
のような身近なテーマを脳科学の観点から
分析するような内容になっています。
文章も論文のように堅いものでは
ないので読みやすいです。
この本でピックアップされている内の
一つが前頭前野です。
前頭前野は、直接人とコミュニケーションをとる際などに
働いており、人間が社会の一員として生きていくために
必要不可欠なものとされています。
引きこもって作業する人、私がまさにそうですが、
こういった人達はネットを介して外部と連絡を
取ることが多いので、前頭前野を使用する機会が減り、
結果働きが弱まっていくのだそうです。
小さい子どもの子守りをテレビにさせるのも、
前頭前野によくないとか。
自分のアクションに対して相手(テレビ)からの
反応が無いとコミュニケーションが成立せず、
他者への理解、自己の確立ができなくなるため
脳の発達が遅れてしまうようです。
また、キレやすい大人は前頭前野の働きが弱っている
状態になっており、疲労やアルコールの摂取で、
さらに拍車がかかるみたいです。
朝よりも夜に感情が爆発するのは、その日の疲労などに
よるストレスが蓄積されているからなんですね。
私はライブで演奏している時は緊張しないのですが、
MCになると頭が真っ白になります。
これも、前頭前野が弱っているからだと言えそうです。
ただ、昔よりMCは緊張しなくなりました。
苦手ながらも繰り返し行っているうちに
鍛えられたんだと思います。
実際に、前頭前野の働きを回復させることは
可能だと書いてあります。
何事も繰り返し行うことで慣れてくるわけですが、
この “慣れ” は脳科学的にも理にかなってるんですね。
ストレス解消の方法についても色々と挙げられていますが、
泣くことはとても効果があり、脳の血流が改善するなど、
よい影響ばかりがあるみたいです。
この本は私にとって色々と発見のある一冊でした。
仕事で疲れている方、ストレスを抱えている方、
また、子育て中の方にもオススメです。
ストレスについて改めて考えてみてはいかがでしょうか。